ほんつながおくる『WEBでしか読めない小説』をご覧あれ!

ほんつなHOME - サイトマップ - 運営会社

WEB小説

登場人物紹介

  • ◆サナディー:
      言葉を理解するサナダ虫

  • ◆カナコ:宿主

  • ◆ケイコ:カナコの親友

著者プロフィール

  • 穴澤賢(あなざわまさる)
    1971年大阪生まれ。
    ペットブログ「富士丸な日々」の管理人。
    著書に「富士丸な日々」、エッセイ「ひとりと一匹」などがある。

  • 詳しくはこちら
rss
第十四回

お願い、ケイコちゃん。カナコちゃんがサトルと別れるように説得してやってよ。

「でも、お金はちゃんと返してくれるんだけど……」
「それが駄目だっていうの。男はね、一度お金を借りると癖になるからね。お金は男に貸しちゃ、駄目」
「でも、もう貸しちゃったし……」
「いくら?」
「三万円」
「それだけ?」
「ううん、まだ返してもらってないのと合わせると、全部で十万ぐらいかな」
「あぁ、カナコ。バカだねぇ」
「どうしよう……」
「どうしようって、貸してしまったものは仕方ないじゃない」
「そうじゃなくて、お金のことじゃなくて、はっきりさせた方がいいのかな」
「何をはっきりさせたいの?」
「付き合ってるのか、付き合ってないのか」
「つまらないことにこだわるのねぇ、カナコって」
「そりゃこだわるよ。こだわらない方がどうかしてない?」
「そうかな。私はむしろその方が楽だけど」
「そんなのケイコぐらいだよ。私はこのままずっとズルズルと続くのが嫌なの」
「嫌なの、ねぇ。じゃあ、聞けば?」

「何を?」
「そのままよ。私たちって付き合ってるの? って聞けばいいんじゃない?」
「付き合ってないっていわれたら?」
「仕方ないじゃない。他に付き合っている人がいるっていわれても、好きならそのままでいればいいし、それが耐えられないなら、別れたらいいじゃない」
「そんな簡単にいうけど……」
「あのね、はっきりしなさいよ。ズルズル続くのが嫌なんでしょう? なら聞くしか仕方ないじゃない。それでダメならダメ。いいならいい、どっちかでしょう?」
「そうだけど……」
「カナコは、その男のことが好きなの?」
「好きっていうか、もう長いし、何だか放っておけないっていうか」
「お金せびる男が?」
「うん。でも優しいところだってあるのよ」
「わかったわかった。ノロケはいいから。で、どうしたいのよ」
「相手が私のこと好きかどうか知りたくて……」
「はぁ……まったくカナコは。ならやっぱり相手に聞くしかないよ。男ってね、面と向かって聞かないと答えないからね。それこそ都合のいい関係が続くだけよ」
「はっきり聞けるかな」
「聞くしかないんじゃない。はっきりしたいんでしょ? わかんないときはあれこれ考えないで直球で行けばいいのよ。そしたらさ、あ、こんな男だったんだって気付くかもしれないし」
「なんて聞けばいいの?」

「さっきもいったじゃない。そのまま、思ってることそのままいえばいいのよ」
「できないよ、そんなこと……」
「できないと今と何も変わらないよ? それは嫌なんでしょう?」
「うん……」
「じゃあ、聞くしかしょうがないじゃない」
「聞けるかなぁ」
「聞くのよ。じゃないと何も変わらないから。駄目なら駄目で、次行かないと。聞けるね?カナコ」
「うん……聞いてみる」
「よしっ!」
「ケイコは、どう思う?」
「何を?」
「別れた方がいいのかなぁ……」
「うーん、女に金をせびる男は最低だと思うよ」
 
ケイコちゃん、ありがとう。ぼくがいいたかったこと、全部いってくれて。
でもカナコちゃん、ちゃんといえるかな。

WEB小説